不遜な蜜月
―――・・・・・・。
「あとはカツを揚げれば完成、と」
カレーも完成したし、理人の帰りを待つだけだ。
マスクを外し、ソファーに腰掛ける。
「ふぁ・・・・・・」
つわりはまだ重いのだが、それに加えて眠気まで。
仕事中は根性で起きているが、油断するとすぐ睡魔に負けてしまう。
「あ、メール。社長からだ」
【少し帰りが遅くなる】
簡潔なメールに、つい笑ってしまう。
「返信しなきゃ」
横になって携帯を操作する。
「ふぁ・・・・・・」
大きなあくびが出て、瞼が重い。
メールの返信を済ませたら、少しだけ眠ろう。
「・・・・・・ちょっとだけ」
送信を押して、真緒は重たい瞼をゆっく閉じた。
自宅に帰り、リビングの明かりがついているのを見ると、頬が緩みそうになる。