不遜な蜜月
「社長?」
理人が何も言わないので、真緒は少しだけ戸惑いの声を上げる。
「・・・・・・真緒」
名前を呼んで、理人がベッドに腰掛ける。
なんだか緊張してきて、真緒は視線が揺れてしまう。
(私、何かしたかな?)
不安になる真緒に、理人があるものを取り出す。
「開けて」
「は、はい」
慌てて受け取り開けてみれば、ダイヤが輝く指輪。
「え? え?」
「サイズは合ってると思うんだけど」
状況がわからなくて、真緒は動揺を隠せない。
「なんで、指輪・・・・・・」
「婚約指輪」
理人は微笑み、真緒の指にはめてくれた。
「綺麗・・・・・・」
きっと高いんだろうな、と思う自分がいる。