不遜な蜜月
そんな娘の様子に、両親は顔を見合わせる。
真面目で、親に心配なんて滅多にかけなかった真緒。
「真緒に任せてみたら? 子どもじゃないんだし」
「菜緒・・・・・・」
「大丈夫よ、真緒なら」
ニッコリと笑う菜緒の隣で、遼太郎がうつらうつらとしている。
「・・・・・・真緒」
「何?」
「賛成するわけじゃない。本音を言えば、反対したいんだ」
「うん」
父親は眉間にシワを寄せて、真緒をジッと見つめる。
真緒も、逸らしちゃいけないと顔を上げた。
「・・・・・・何かあったら、すぐに言うこと。ひとりで抱え込まない。それを守れるなら、お前に任せる」
「・・・・・・ありがとう!」
納得していないのは、真緒でもよくわかる。
それでも、真緒の気持ちを尊重してくれた。
「相手のこと、菜緒も知らないのか?」
「聞いてない。それに、真緒は絶対に言わないわ」
苦笑しながら、菜緒は遼太郎の肩を軽く揺する。