不遜な蜜月
「それは・・・・・・縁があれば、見つかると思います」
理人の答えに、聡志はあからさまなため息をつく。
「見合いの話は、進めておく」
「お祖父さん!」
「お前に任せていたら、いつになるかわからないだろう? 会ってみるだけだ」
「・・・・・・」
楓に助けを求めようと思ったが、彼女も聡志の意見に賛成らしい。
「工藤くんに、お前の予定を聞いておく」
「・・・・・・もう休みます」
これ以上、面倒な話は聞きたくない。
理人はさっさとリビングから引き上げ、部屋へ向かう。
そんな孫を、呆れた様子で祖父母は見送った。
理人の部屋は、今も掃除されていて、綺麗なままだ。
ベッドに腰を下ろし、携帯を開く。
「・・・・・・工藤か? 会長からお前に連絡が行くと思う」
『何のためにでしょうか?』
「俺の予定を知りたいんだ。見合いさせるために」
『とうとう観念する気になったのですか?』