poncc短編集
メール
『愛なんて、只の気の迷いだよ』
君はそうやって文字にした。僕だけにしか見る事が出来ない其れは、何の意味も成さない独り言の様だった。
風は冷たくて、頬を掠めると少し痛い。しかしそんな事はお構い無しに心臓はどくどくと唸っている。たった数分前に別れたという君の彼氏さんにも、君はそう言ったのだろうか。
『そうだね』
君はきっと肯定して欲しいだけなんだろう。だけどそうすれば、僕は君を手に入れることは出来ないのだろうと、頭の何処かが悟ってしまう。
打っては消して、また打っては消した。
諦めのつかない僕は、僕なんて君に選ばれる資格はないけれど。ただ実りを、祈っていたかった。
『そうだね』
僕からの短くてもしかしたら伝わらないかもしれない想いを、少しでも感じっとって欲しいな。
満足そうに笑っている君を想像する僕ごと、君に飛んで行けたらいいのに