近くて遠い星~あなたに逢いたくて~
悠ってば、ちょっと話が長いからってすぐ逃げるんだから…
って思ってたら2時間目まで帰ってこなかった。
「何してたの?」
「だからトイレだって」
「長っ!」
「るせー」
昼休みになってみんなでお弁当を食べる。
あたしたちは晴れると中庭で食べる。
なんでかは忘れたけど聡のお弁当はあたしが作っている。
「やっぱ由美の弁当うめー!!!」
「そりゃどうも」
一応、冷凍食品は入れてない。
ちゃんと前日とか朝作ったものを入れている。
「よくできるよね。久美香は実家暮らしの上にママに作ってもらってるし」
「まぁ趣味だよ、趣味」
♪~♪~
あたしのケータイがなる。
メールだ。
『久保秀治』の文字にドキッとする。
メールを開く。
『上みて!』
そのまま上をみる。
「由美ちゃん!」
あたしの名前を呼びながら手を振ってくれる。
慌てて手を振り返す。
すると久美香と聡がニヤニヤしながらつついてくる。
「ちょっと!」
でも自分もニヤついてることわかってる。
秀治さんも2階で冷やかされてるみたい。
秀治さんの声じゃない声で大きく「由美ー!!!」って聞こえる。
付き合ってないけど、そういう気持ちになってしまう。