野獣な執事とワンコお嬢様
運んできた紅茶とコーヒーを指さしてる…。



どっちにするかって?



「喋れば…?」

「許していただけるんですね!?」

「へっ…?」

「お嬢様がうるさいと仰ったんじゃないですか」

「それで…?」

「はい。では紅茶にしますか?たまにはコーヒーもよろしいかと思いまして」

「紅茶で…」



本当にあのヒョウなんでしょうか…。



息苦しくて仕方ない!!



こんなのヒョウじゃない。



ガシャンと、カップを落とした。



「お怪我はありませんか!?」

「シャワー浴びるから片づけといて」

「お嬢様」

「なに?」

「わざとやりましたね?」

「えっ…」

「わたくしを試していらっしゃるようですが…そんなに昔が懐かしいですか?」

「ちょっ…キャッ!!」



詰め寄られて、つまづいた先は床の上。



覆い被さってきたヒョウの、懐かしい目…。



「いつからこんなに悪い子になったんです?」

「ヒョウ…?」

「昔となにも変わっておりませんよ。主従関係の、主はどっちだと思ってます?」



撫でられた頬がビリビリした。



ヒョウは…昔よりも黒に染まって戻ってきていたんだ…。


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