野獣な執事とワンコお嬢様

ヒョウの苦手は、きっと『感情』だ。



確かに、人の気持ちを察することができなそう…。



今回の音楽のテストは、感想文みたいなものもあると言っていたし。



「テストで青柳に勝ったらどうしよう…」

「あり得ないので、大丈夫ですよ、お嬢様」

「なんで!?わかんないじゃん!!」

「１教科でも勝てたら、お嬢様の願いを１つ叶えて差し上げますよ」

「デート!!ヒョウとデートしたい」

「勝てたらの話です」



やる気出てきたっ!!



絶対負けないっ!!



って、その前にやることがあったんだ…。



先輩にあの時の返事をしてない…。



きっと、あたしは先輩の気持ちには応えられないと思う。



断らなきゃ…。



「何を考えているのです？」

「えっ!?あのね、先輩にまだ返事してなくて…」

「どうするおつもりですか？」

「先輩はいい人だと思うし、きっと女の子扱いばっかりしてくれるんだと思うんだけど…」

「優しい男で満足するんですね、お嬢様は」



う～ん…。