野獣な執事とワンコお嬢様
ここは校舎の裏で、人は滅多に来ない場所。



教室にいたくない時、たまにここでお弁当を食べていた。



現在、コンクリートの上に正座です。



「少し言い寄られて舞い上がってんじゃねぇよ」

「はい…」

「俺が来なかったら、お前、食われてたかもな」

「はい…」

「感謝の言葉が聞こえねぇんだけど」

「あ、ありがとうございました…」

「ご主人様」

「ご、ご主人様…」

「よく言えましたぁ~」



ワシャワシャと頭を撫でられ、一瞬にして夢見心地…。



やっぱり気持ちいい~…。



「なんでヒョウがここにいたのぉ?」

「さ、サボりに来ただけ」

「テスト前だよ?」

「うるせぇ、ワンコ…。お前もサボれ」



あたしも!?



まぁ、数学はヒョウに教えてもらった方がわかるし…。



たまにはサボってもいいかな?



「ヒョウが来てくれてよかった」

「感謝しろよ?」

「うん」



隣に座ったヒョウに、心からの安心感。



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