野獣な執事とワンコお嬢様
【ヒョウ】



ゾクゾクさせるなぁ~…。



その怯えた顔。



相変わらずそそる…。



「主は…あたしでしょ?」

「すみません、聞こえませんでした」

「あたしがっ…」

「えっ?もう一度…そのかわいらしい口で申し上げてくださいますか?」

「あ、あたしは昔からあなたの奴隷であります!!」

「なにを仰いますやら。主はお嬢様ではございませんか」

「う、ウソだ…。思ってないでしょ!!」

「あはははっ、お嬢様はご冗談もお上手ですね~。ドジなところは相変わらずですが。さぁ、起きてください」



手を差し出すと、それを握って立ち上がった。



変わらないな、琴音…。



10年も見ない間に、淑女にでもなってたらって不安だったが、安心した。



イジメ甲斐がありそうで。



「ヒョウ…?」

「青柳とお呼びくださいと、何度も申し上げたはずですが?」

「青…柳…」

「なんでしょう」

「どうして…あたしの執事になったの?」



そんなは簡単だ。



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