野獣な執事とワンコお嬢様
家に戻り、龍蔵さんにネックレスと財布を渡した。



「ありがと~」

「こちら、領収書です。大丈夫ですか?」

「おぉ、妥当。助かったよ」



浮気って高いな…。



頑張れ、龍蔵さん…。



夕食の時間、3人分の用意。



今日は来客があるので、シェフ自慢のフレンチ。



「あ、青柳ぃ…」

「ただのパプリカです、お嬢様」

「嫌いだぁ…」

「ハート形にしてもらえばよかったのですか?」

「いつも思ってたけど、ハートにしたって味は同じなんだよ…」

「それは失礼。お嬢様のことですから、気づかないで召し上がると思っていました。では、食べさせてあげましょうね」

「自分でっ食べます…」



こんなのいつものこと。



それを不思議そうに見てる雪乃さん。



「2号くん、結構スパルタなんだね…」

「お嬢様のためですから」

「さすが青柳の息子って感じ」



俺の父も、笑顔を崩さないで毒を吐く。



琴音の父ですら、たまにタジタジになっていた。


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