野獣な執事とワンコお嬢様
俺はまだ優しい方じゃないか?



「お嬢様、食後は宿題ですよ」

「青柳はやったの?」

「初日にすべて。いえ、すべては間違いで…感想文だけが残っております」

「あははっ!!苦手分野だ!!」



何も言えねぇ…。



読書して、感想を書くなんて意味がわからない。



何も感じない俺に、何を求めているのか…。



本は読み終えた。



なんて書けばいいのか、本当にわからない。



読んだミステリー小説は、初めから犯人がわかってしまって…。



「んなもん、ネットで調べて他のヤツがつぶやいてる感想書けばいいだろ」

「なぜお客様がいるというのに、一緒に食べてらっしゃるのです?タマキさん」

「腹減ったらメシを食うのは当たり前。お前も食えば?」



食えるか!!



客が来ても何ら変わらないタマキさんを、逆に尊敬する…。



風呂上がり、琴音の宿題をみた。



いい感じだ。



「暑ぅ~…。熱帯夜?」

「部屋の温度、下げますか?」

「風邪ひくからヤダ…」



風呂上がりで、汗ばんだ琴音…。



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