野獣な執事とワンコお嬢様
伝わらない。



苦しくて、辛い。



頭が痛くて割れそうだ…。



「お嬢様、落ち着いておやすみになってください」

「ヤダっ!!」

「いい加減、怒られたいんですか?」

「ヤダっ…」

「さっぱり意味がわかりません。少し眠って、目が覚めたら話を聞きますから」

「うん…。寝るまでそばにいてくれる?」



ニコッと笑ったヒョウが、頭を撫でてくれた。



やっぱり熱のせいだ…。



落ち着く…。



すぐに眠ってしまい、目を開けるとヒョウがこっちを見ていた。



その髪も、目も、手も、全部愛おしい。



「好き…ヒョウ…。大好き…」

「それは、うわごとと捉えればよろしいのですか…」

「違う、大好きなの、ヒョウが…」

「目を覚ましてください、お嬢様」

「起きてる…よね?」

「寝てます」

「起きてるもんっ!!」



ガバッと起きあがると、一瞬クラッとした。



ヒョウが咄嗟に支えてくれて、そのまま抱きついた。



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