野獣な執事とワンコお嬢様
ドキドキしてきた…。



あたし、ちゃんと起きてる。



「ヒョウはあたしのこと、好きじゃなくてもいいの」

「…………」

「あたしはヒョウが大好き。言いたかっただけだから」



腕を離し、ベッドの上に座り直した。



フられたくないから、返事はいらないよ。



そばにいてくれるだけでいいの。



片想いでも、ヒョウが近くにいれば平気だと思うから。



「お嬢様、本日は今からお休みをいただきます。よろしいですか?」

「うん…?」

「よかった」



ヒョウ…?



立ち上がったヒョウが、何も言わずにネクタイを緩めた。



今からは執事モードオフ?



「どんなタイミングだよ、バカ犬」

「へっ!?」

「熱あるから、おかしくなったのか?それとも、マジで言ってんの?」

「い、言ってます…」

「覚えてないとか、熱のせいにしたりすんの、ぜってぇナシだかんな」

「うん…?」



ギュッと抱きしめられた…。



な、なんだ?



どういうこと?



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