野獣な執事とワンコお嬢様
シェフが困ってんじゃねぇか。



ぶっ倒れる前に食わせよう。



悩みがあったり、情緒不安定になると元から食の細い琴音が更に食わなくなる。



もしかして、俺が来たからか?



アイツ、相変わらずナイーブだな…。



「シェフ、少しキッチンをお借りしても?」

「いいけど…なにをするんだい?」

「お嬢様がシャワーを浴びてらっしゃるので、冷たい飲み物で水分補給をしていただこうかと」

「いやぁ~、青柳くんは本当に執事の鏡だね」



下心込みだけどな。



琴音の好みは把握してるつもり。



好きなもの、嫌いなもの。



昔の記憶と、この家での記録。



昔からいた使用人が日誌のようなモノを書いていたので、ソレを全て読んだ。



執事としてここに来たのは事実だし、この家の当主との約束が、仕事をちゃんとやることだから。



俺は執事として、真面目にやらなければいけない。



琴音はフルーツが好き。



ケーキや、チョコとかより、甘いモノはフルーツ。



パイナップルが新鮮なので、それでジュースを作った。



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