野獣な執事とワンコお嬢様
ヒョウの楽しそうな顔って、あたしをイジメてる時くらいしか見たことないかも…。



荷物を置き、ソファーに座ったヒョウに聞いてみた。



「楽しい?」

「何でんなこと聞くんだよ」

「だって…ヒョウってあんまり楽しそうにしないんだもん…」



ポンッとヒョウの隣を叩かれ、静かに座った。



今日はせっかく仕事も休みなんだから、楽しんでもらいたいのに…。



「俺は十分楽しい」

「本当!?」

「休みだから、遠慮なく好き放題できるしな」

「ヒョウ…?ち、近くない?」

「毎日教えてんだろ?こんな時、どうするか」



き、キスしたいのかな…。



目を合わせて顔を上げればいいんだよね?



顔を上げると、後頭部をガッチリ掴まれて。



「上出来…」



一瞬だけされたキスで、心臓が急にドキドキ言いだした。



何度したって恥ずかしいし照れる…。



つい、俯いてしまう。



「まだ終わってねぇから」

「えっ!?んっ…」

「毎日夜だけなんて、全然足りねぇんだよ」



と、溶けてしまう…。



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