野獣な執事とワンコお嬢様
ジョーの彼女、千花も疲れたとか言って留守番。



俺とジョーで、カゴに食材を入れて行く。



いや、俺だけが入れてる。



「つかぬことを聞くけど、お前って料理でき…」

「ないよ。センちゃんもできない」



俺だけかよ…。



手の込んだものはやめて、簡単にバーベキュー。



別荘に戻り、外にバーベキューコンロを出した。



「火ぐらい起こせ」

「ないよ」

「なにもできねぇな、ジョー…」

「一応僕だってお坊ちゃまなんだもん」



千花はやったことがあるとかで、俺と千花で火起こし。



「ヒョウくんってできないことあるの?」

「ねぇな。基本的に何でもできねぇと、有栖川家の執事にはなれねぇから」

「すごいね、ヒョウくん」



1年は修行期間だったな…。



辛く厳しい修行…。



思い出すだけで恐ろしい…。



オヤジに認められるようになるまで、とにかく必死だった気がする。



「僕が焼くからね」

「は?何だよ急に」

「ヒョウばっかりカッコイイとか、ずるい」



ヤキモチかよ…。



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