野獣な執事とワンコお嬢様
全部飲んだ琴音は、満足そうだった。



グラスを片づけ、そのまま仕事をする。



「青柳~」

「タマキさん、どうかされましたか?」

「龍蔵見つけたら捕まえといてくれ」

「わかりました。そのスコップ、なにに使うんです?」

「見つけたらボッコボコにして埋めてやんだよ」

「一応龍蔵様は有栖川財閥の御曹司なのですが…」

「大丈夫だ、死なねぇ程度に根性叩き直してやるだけだからな~」



有栖川 龍蔵とは、琴音の兄で、この財閥の跡取り。



ガキの頃は可愛がってもらった記憶がある。



ワガママで、少し変で、そして自由な男。



タマキさんくらいの執事がいた方が、きっと龍蔵さんには合ってる。



まぁ、タマキさんは執事なのか疑問だけどな…。



さてと、アイロンがけだ。



明日着る、琴音の制服にアイロン。



ローファーを磨く。



時間割も把握してるので、忘れ物がないように、琴音が寝静まってからカバンの中の教科書チェック。



バレたら、きっととんでもなく怒るだろう。



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