野獣な執事とワンコお嬢様
ベッドの上に置かれたパンとオレンジジュース。



ガシャンッと、足で蹴り落とした。



「お嬢さん、立場ってもん、わかってんの?」

「好きにしなよ。べつに殺したきゃそうすれば?」

「へぇ~、怯えてて泣くかと思ったのに」

「あたしのせいで周りが傷つくなら、死んだ方がマシだから」

「強気なんだね、有栖川 琴音」



あたしのせいでヒョウがどうにかなったら?



そんなの絶対ヤダ。



「お金ならどうにかしてもらう。だから誰も傷つけないで」

「それじゃあつまんない」

「えっ?」

「俺は穏やかなの、好きじゃないから。派手に苦しめるって、おもしろいかもね。まず、あの執事からとか」

「絶対やめてっ!!お願いだから…それだけはヤダ…」

「あれ?なんか違うよね?お願いする態度じゃないね~。日本人って、土下座するんでしょ?」

「腕…外してくれたらするから…」

「いいよ。逃げようと思わないでね?執事がどうなってもいいなら別だけど」



屈辱だ。



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