野獣な執事とワンコお嬢様
手錠が外された。



床に膝を着き頭を下げる。



「なんて言うの?」

「お願いします…。誰かを傷つけるのは…やめてください…」

「そのためなら何でもする?」

「はい…」

「あははははっ!!お嬢様が土下座してる~!!ネットに配信しちゃおうかな」



好きにすればいい。



ヒョウを守れるなら。



あたしは何だってする覚悟だよ。



「殺さないよ。殺したらお金が手に入らないから」

「…………」

「連絡くるまでヒマだし、遊んでようか」

「あ、遊ぶ…?」

「ヒマつぶしにいろいろ持ってきたから。ゲームしよう」



な、なんだこの人…。



本当に誘拐されたの?



「何でもするんでしょ?はい、コントローラー」



意味も分からぬまま、戦闘ゲームが始まった。



あたしって誘拐されたんだよね?



「やるな、琴音。あっ、お菓子食べよう?」

「あのっ…」

「まぁまぁ、難い事は気にしないで。コレうま~。日本のお菓子、うまいね」



よく見ると少年じゃない…?



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