野獣な執事とワンコお嬢様
本当に謎になってきた。



なにがしたいのかさっぱりわからない…。



「琴音は好きな人いる~?」

「いる」

「青柳 豹だよね」

「知ってるんじゃん…」

「俺に乗り換えない?」

「乗り換えない。誘拐なんてする人、絶対好きにならない」

「体の相性いいかもよ?」

「相性?なに、それ」

「えっ!?琴音、バージン?」

「う、うん…」



本当にイヤなことは、ヒョウは絶対しないから。



あたしが無理だと言えば、絶対やめてくれる。



意地悪だけど、大事なとこはちゃんとしてくれる人だもん。



「じゃあ、俺が初めての男だ」

「ちょっ、ヤダよ!!」

「なんでもするって言ったよね?」



こ、怖いよ…。



あたし…やっぱり怖いっ!!



殺されたっていいと思っていたのに。



涙なんて出なかったのに…。



床に押しつけられた体が恐怖で震える。



こんなことなら、ヒョウに全部あげちゃえばよかった…。



「何で泣くの?」

「ヒョウに…申し訳ないからだよっ…」



ごめん、ヒョウ…。



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