野獣な執事とワンコお嬢様
その時だった。



何かが壊れるようなすごい音が聞こえ、ふたりでドアの方を一斉に向いた。



バンッと勢いよく開いたドア。



「迎えに参りました、お嬢様」

「ヒョウっ…」

「やってくれたな、クソガキ」



あたしを誘拐した彼の頭をガシッと掴んだヒョウが、腕に思い切り力を入れてる。



い、痛そう…。



「ごめんなさいっ!!離してよぉ~…」

「やっていいことと悪いことがあんだろ。琴音に触ってねぇだろうな?」

「押し倒しただけだよ…」

「いっぺん死ね」

「痛いぃぃぃぃぃ~!!」



ヒョウ、ケガしてない?



大丈夫なの?



「ヒョウ…うぅぅぅ~…」

「待ってろ、琴音。アゲハの始末してからな」

「アゲハ…?」

「あ!?コイツだ」



まさか知り合いだったの!?



えっ、誘拐…だったんだよね?



「どんな関係で…?」

「俺の弟だ」



えっ…?



お、弟って?



見た目からして全く違うよね?



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