野獣な執事とワンコお嬢様
いやいや、ヒョウに弟なんかいなかったもん。



一人っ子だったはずだもん。



「青柳パパが浮気してたのっ!?」

「ちげぇよ!!コイツはうちの養子」



養子!?



アメリカで養子にしたってこと?



「ごめん、琴音。楽しかったよ」

「ジャガーじゃないじゃんっ!!」

「うん、俺、青柳 アゲハ。今から兄ちゃんにボッコボコにされる、可哀想な弟だよ…」

「な、なんで誘拐なんかしたの…?」

「だってダディーの指示だもん…」

「青柳パパの指示!?」

「正確には、琴音のパパの指示」



えっ…、なにそれ…。



あたしのパパがあたしを誘拐させたの?



えっ、何で?



「そこの監視カメラで見てるよ。ダディー、助けてよ~…」

「龍馬様…帰国して…」

「うん、俺も一緒に来た。兄ちゃんに会いたくて」

「アゲハ、龍馬様が来てるのか?」

「うん、全部見てたと思う」

「最悪だっ…。お前っ、手加減しろよっ!!マジで3箇所も関節外しやがって…」

「だって本気でやったらお小遣いくれるって言うからぁ~…」



本当に兄弟なんだ…。



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