野獣な執事とワンコお嬢様
琴音と食堂に行くと、すでに龍蔵さんが座っていた。



「お兄ちゃん、その顔どうしたの…」

「タマキとケンカした」

「楽しそう…」



まぁ、俺の知ったところじゃない。



俺は琴音の世話をしてればいいんだ。



メシを運ぶのも、俺の仕事。



本当に卵づくしだ。



「フワフワオムレツ!!」

「お嬢様が全て召し上がれるように、好きなものでまとめてみました」

「いただきまぁす!!」



この家に来てから初めて、こんなに勢いよくモノを食べてる琴音を見た。



龍蔵さんも琴音も、庶民的な食べ物の方が好きらしくて。



あまり堅苦しいディナーを好まない。



雇っている一流シェフは、毎回一般家庭で出るような食事に悪戦苦闘しているらしい。



「青柳2号は食わねぇの?」

「はい、後でいただきますので」

「タマキなんか遠慮なしにバクバク食ってんのに」



タマキさん、あんた執事じゃないでしょ…。



龍蔵さんも、命の危機とか感じた方がいい…。



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