野獣な執事とワンコお嬢様
琴音の皿の上に残されたニンジン。



昔から好き嫌いは多い方ではあったらしいけど…。



「ごちそうさ…」

「お嬢様、まだ人参が残っております」

「だって嫌いなんだもん…」

「左様でございますか。では、食べさせてあげましょう」

「や、ヤダよっ!!食べない!!ってか青柳のその笑顔が怖い…」

「ほぅ…」



フォークに突き刺したニンジン。



嫌がる琴音の頬を掴んだ。



「さぁ、口を開けてください、お嬢様…」



フルフルと首を横に振っている。



涙目だって、許さない。



「口を開けないのでしたら…仕方ないですね。口移しを希望なされますか?」

「あ~んっ!!」

「お利口さんです、お嬢様。ちゃんと、飲み込んでくださいね?」



涙目で頷いた琴音に笑顔を向けた。



苦しそうに飲み込んで、すぐに水をゴクゴク。



「青柳って、俺よりブラックじゃね?」

「昔からだ。変わってないな、青柳2号」



タマキさんに言われたくない。



龍蔵さんも、楽しそうだな…。



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