野獣な執事とワンコお嬢様
そのまま静かに琴音の部屋を出て、自分の部屋へ向かう。



「青柳」

「タマキさん、帰ったんですか」

「眠いから龍蔵引っ張って連れ帰った。なに?オフモードになんの早くね?」

「今日は精神的に疲れたんで。琴音も熱あるみたいですし」

「ふぅん。珍しいな、お前がそんなに気ぃ抜いてんの」



あっ…。



自然に『琴音』と呼んでしまった…。



本当に、気を抜きすぎだ…。



「ダメですね、なんだか…」

「人間、そんなもんだ。俺も疲れたし~」

「朝帰りでしたっけ。彼女さんといたんですか?」

「めんどくせぇよな、女って。やたら記念日作りたがるし。俺だって仕事だっつーの」



彼女とケンカでもしたのか。



確か結構年下だとかって話だ。



「いたいた!!タッマキー!!飲み足んな~い。5、6杯付き合えよぉ~」

「俺は寝るって言っただろ!!」

「だってタマキが強引に強制帰宅させたんじゃん。2号も一緒に酒盛りする~?」

「青柳は未成年。ってか早く雪乃と結婚しちまえよ。お前の世話、マジめんどくせぇ」



龍蔵さん、その元気を琴音に分けてくれ…。



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