野獣な執事とワンコお嬢様
口に含んだ薬と水。



上を向かせた琴音に口移し。



「んんんっ~!!」

「飲み込め。楽になるから」



状況を把握したのか、頷いてから飲み込んだ。



ムリさせた覚えなんてねぇんだけど…。



何でこんなに弱いかな~…。



「昔からお前は変わんねぇな…。ほっとけねぇよ」

「嫌いに…ならないでね…?」

「嫌いになれるならなりてぇよ。どうすりゃいいか教えてくれ」

「ヤダから…教えない…」



めんどくせぇ女。



俺も大概バカ。



琴音なんかの何がいいのか未だにわかんねぇ。



だけどカワイくて、なぜか好きで。



「ヒョウ…好きだよぉ…」

「うるせぇよ。風邪なら俺に移して、早くよくなれ…」

「ヤダよぉ…」

「デート、するんじゃなかったのか?動物園」

「する…」

「早くしねぇと寒くなるぞ」

「ヤダ!!治す…」



とりあえず今は寝かせよう。



琴音の隣に横になり、琴音が寝付くまで頭を撫でた。



今日も俺はムラムラしたままなかなか眠れない…。



たまには人の気持ちも察してください、お嬢様。



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