野獣な執事とワンコお嬢様
理時の話によれば、琴音はこの学校で確実にいちばんだって。



「あのクリックリの目とか、目潰ししたくなるよな~」

「わかる…」

「なんかこう…いじり倒したくなる顔」

「理時、マジで話がわかるな。サディストだな」

「ヒョウほどじゃねぇよな、桜小路…」



うんうん、と頷いたジョー。



だけどこれは性格的なもんだからやめられないわけだし。



「俺が琴音をいじめるのは愛情だからな」

「はぁ~…、感動するよ、マジで。それで満足してる琴音ちゃんもすげーと思うけど」

「幼少期に俺がそう育てた」

「あははっ!!根っからの犬かよ!!」



琴音が他に飼い主をみつけることは許さない。



あいつは俺しかダメだ。



「放課後遊びに行かね?」

「ヒョウは仕事だからムリだよね?僕も遊びたいけど」

「仕事って!?」



有栖川家のことは、極秘だからな。



執事をしてるなんて、言えるわけがない。



「親のお手伝いだよね?」

「まぁ、そんなとこ」



それで納得したらしい。



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