野獣な執事とワンコお嬢様
死んだようにベッドにうつ伏せになってて動かない。



「お嬢様?起きてらっしゃいますか?」

「ん~…、制服そこぉ~…」

「お預かりいたします」



洗濯室に持って行き、疲れた琴音のために、好きな紅茶を用意した。



ついでに甘いもの。



「失礼します」

「ん~…」

「ミルクティーをお持ちいたしました。お茶の時間になさいませんか?」



ムクッと起きあがった琴音の目は、なんだか虚ろ。



相当走らされてたもんな…。



「体育、大嫌い…」

「えぇ、知ってます」

「あたし、なんでそんなに嫌われてるのかな?悪いことしてないのに…」

「お嬢様がカワイすぎるから、周りが嫉妬しているだけですよ」

「別に気にしてないけどね。おいしい、ミルクティー…」

「シェフが作ったモンブラン、食べませんか?」

「食べる…」



モンブランを見て、もう秋だと感じる俺と、どうしようもないくらい暗い琴音。



ん!?



なんだ、コレは。



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