野獣な執事とワンコお嬢様
琴音が部屋に戻る頃にはすべて終わっていて。



「お座りください」

「久しぶりだ…」



ドレッサーの前に座った琴音の髪を乾かした。



丁寧に、優しくブロー。



「ヒョウにやってもらうとサラサラ…。なんで?」

「企業秘密ですよ。お嬢様、離れないおつもりですか?」

「うん。好き、大好き」

「わかってますよ、お嬢様。放置して申し訳ありませんでした」

「ヒョウの大切さがわかった…。今日ヒョウの部屋で一緒に寝る…」

「まずは夕食です」



珍しく文句も言わずに完食。



琴音が嫌いなニンジンも、何も言わなくても自分で食べた。



成長したな、オイ…。



「ヒョウのお部屋で待ってていい?」

「構いませんよ。寒くないように暖房を入れてくださいね」

「わかった。早く来てね?」



了解。



仕事をさっさと終わらせる。



いつもの2倍のスピードで、やることをやった。



部屋に戻ったら、案の定琴音は夢の中。



またお預けをくらう俺…。



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