野獣な執事とワンコお嬢様
宿題してたら、ヒョウがお茶持ってきて、サラッと宿題の間違いを正して出て行く。



学校のヒョウからは想像もできない口調。



まさか多重人格?



いや、アレは計画的だ。



でも、父に言われてあたしの執事になったなら、べつに学校と同じ態度でもいいようなものなのに…。



切り替える必要ってあるの?



夜ご飯を食べながら、その疑問をヒョウに聞いてみた。



「仕事は仕事ですので」


ヒョウならそんなの無視しそうじゃん。



弱みでも握られてるの?



「偉いな、青柳」

「タマキさんが仕事してないだけじゃないですか」

「してるぞ、俺。ってか、ずっと立ってて疲れねぇの?座ってメシ食えばいいじゃん」

「わたくしは後でいただきますので」

「いつメシ食ってんだよ、青柳」

「はははっ、内緒です」



言われてみたらそうだ…。



朝も夜も、食べてるとこ見たことない…。



あたしの給仕もやってて、他は常に動いてる…。



いつ食べてるんだろう。



聞いても教えてくれなそうだ…。



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