野獣な執事とワンコお嬢様
そんなものを入れられてるとは知らない琴音は、安心して俺が運んだ食事に手をつける。



信用しすぎだ。



「もうお腹いっぱい…」

「デザート、グレープフルーツですが、いりませんね?」

「うぅぅぅ~…、食べますよ…」



量はかなり少ないのに、あまり食べない琴音。



全く食べない時もあったらしく、メイドたちが手を焼いていたって報告があった。



体が強い方じゃないくせに、食わないから余計ダメになるわけだ。



フルーツだけはどんなに腹がいっぱいでも食うのに。



「おはよ~、青柳2号」

「おはようございます、龍蔵様」

「お前はいいねぇ、なんつーか…かいがいしい」

「わたくしはタマキさんのようにはできませんので」

「今日も起きてこないんだけど…」

「龍蔵様を甘やかさないためではないのですか?ご自分で目覚めるなんて、ご立派ですよ」



琴音なんか、起こさなきゃいつまでも寝てるのに。



少しは龍蔵さんを見習ってもらいたいもんだ。



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