野獣な執事とワンコお嬢様
だけど構っとかないとダメなヤツもいて。



「失礼します」

「あっ、もう少し待って!!」



長電話中の琴音。



くだらない話をもう1時間。



会ってしゃべればいいだろ!!



って、最近学校来てねぇんだっけ。



テストだけは受けたらしいけど。



静かにワゴンを運び入れ、紅茶を淹れる。



「うん、違うよ。先にチサちゃんが言ったんじゃん」



何の話をしてるかなんて、興味もないけど。



早く宿題やれっつーの。



「チサちゃんの彼氏って怖いね~。えっ?ヒョウの方が恐ろしい?優しいよ?」



人の話しか!?



なんだかイラッとしたので、無理矢理上を向かせてキスしてやった。



電話の奥で、友達の声が聞こえる。



「もしも~し?」

「プハッ!!ご、ごめん…」



涙目でにらまれても怖くなんてない。



逆に俺のイタズラ心を煽られた気分。



「お嬢様、お茶が冷めてしまいますよ…?」

「ウヒャッ!!」



小さく耳元でささやいただけで過剰反応。



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