野獣な執事とワンコお嬢様
オスと仲良くして、何が楽しいのかわからん。



それにしてもカワイイ顔してんな…。



「有栖川さんと、どんな関係なの?」

「あ?アイツのことは何も喋んねぇぞ」

「財閥のご令嬢が、パシリにされてるんだもん。興味持つよ」



コイツは…琴音を知ってんのか?



いや、カマ掛けてきてるのかも。



「大丈夫だよ。僕んち、有栖川さんちと昔から取り引きがあるだけだから」

「お前、名前なんつった?」

「桜小路 丈一郎」



桜小路…。



あっ、ファッション関係の桜小路か。



確か相当な繋がりだったよな…。



俺、ふざけたこと言ったな…。



「えっと…少し話そうか、桜小路くん」

「いいよ~」



人がいないベランダに出た。



まず…。



「舐めたこと言って申し訳ありませんでした…」

「って顔してないんだけど…」

「有栖川家と深い関係にあるとは知らず、大変な失礼を」

「言葉に顔が伴ってないんだけど…」

「わたくし、お嬢様の執事をしている青柳と申します」

「僕はただの御曹司ってだけだから。何の権力もないし…って、執事だったの!?えっ、どっちが主人…?」



調査不足だ。



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