野獣な執事とワンコお嬢様
体動く気しないから!!



「ヒョウってすごいね…」

「はぁ~?まだ俺のすごさなんかわかってねぇだろ?」

「じゅうぶんわかったよ!!」

「メシ食って風呂入ったらな」

「あたしを殺す気!?」



熱が出そうだよ~…。



ベッドの中でシャツを羽織るヒョウの背中を眺めた。



あたしの倍くらい広いんじゃないだろうか。



傷ひとつない、キレイな背中…。



「何か食いてぇのある?」

「何でもいい…」

「わかった。作ってくる」



へっ!?



ヒョウが作るの!?



って、そんな乱れた姿で家の中を歩いちゃって大丈夫なの!?



いつものネクタイもなければ、ベストも着ない。



ナチュラルな髪をかきあげ、シャツのボタンが開いたまま、ヒョウは部屋を出ていった。



あのフェロモン垂れ流し状態でメイドさんに見られたら…。



ヒョウのファンになっちゃうよぉ~…。



それでなくとも人気あるっぽいのに!!



それは素のヒョウを知らないからだろうけど…。



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