野獣な執事とワンコお嬢様
なんて言えず、夜中に琴音の待つ有栖川家に帰宅。



まだやりたいことあったのに…。



「おかえりっ!!」

「ただいま…。龍馬さんは?」

「お仕事だって」

「そうか…。琴音?」

「あたし、明日帰ることにしたからね。ここにいてもヒョウの邪魔になるだけだし」



怒ってんだよな?



あの後もメグには謝られた。



まぁ、アイツはこっちじゃ毎回あんな感じで俺を独占してたわけだ。



クセみたいなもんかもしれないわけで。



「怒ってんだよな?」

「あたしって心狭いよね。ヒョウに行くなって言って、追いかけてきたらすぐ帰るとか…」

「オイ…」

「大丈夫!!ワガママは言わないよ?ヒョウ、楽しそうだし。うん、平気だよ」



涙目。



だけどあれは俺も予想しなかった出来事だったわけだ。



メグとのキスで琴音が傷ついてるなら、俺のせい。



「ごめん、琴音」

「なんで謝るの?あたしは…平気だもんっ…。本当は帰る予定なかったんだよね?ごめんなさい、貴重な時間っ…」

「いや、今は俺もお前といたいから気にすんな」



琴音の涙を拭って、罪悪感。



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