野獣な執事とワンコお嬢様
俺がすることに基本的には口を出さない。



俺の部屋に来ることが珍しい。



「わからねぇ、どうしたらいいのか…」

「今回はあなたのワガママね。お嬢様をそうしたのはヒョウの責任」

「わかってるよ、そんなこと…」

「お互い成長できるなら、ケンカなんかたくさんやりなさい。日に日に人間らしくなるヒョウ、私は好きよ?」



母親に言われても嬉しくねぇよ…。



その後、琴音が眠る部屋に静かに入った。



離れたのはたった1週間。



よく見りゃやつれたか?



俺にとっては、たった1週間。



琴音にしたら1週間も。



昔の頃の琴音を思いだし、離れることが琴音にとってどれだけ辛かったのか…。



トラウマ的なものなのかもしれないと、初めて理解した。



ごめん、琴音…。



俺はそれでも、離れたくない。



「後1週間、いろいろ終わらせてすぐに帰るから…。いらないなんて…ウソでも言うなよ…」



胸が苦しいです、お嬢様…。



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