野獣な執事とワンコお嬢様
よかった…。



ヒョウが戻ってきてくれた…。



お風呂に入り、寝る準備はできた。



「髪がまだ濡れていますよ」

「乾かしてくれる?」

「えぇ、お座りください」



久しぶりにヒョウに髪を乾かしてもらった。



帰ってきてくれただけで、こんなに嬉しい。



ヒョウ、大好きだよ…。



「明日から学校ですね。早めに眠らないと、起きられなくなりますよ」

「お仕事終わったら…ヒョウも一緒に…」

「遠慮させていただきます。わたくしはただの執事ですので」

「えっ…?」

「勘違いなされないでくださいね?わたくしが戻ったのは、お嬢様の専属執事だからです。その他に理由なんてありませんので」



なに…それ…。



そんな理由…聞いてない…。



「おやすみなさいませ、お嬢様」



パタンッと閉まったドアに放心。



今のってどんな意味?



あたしがいらないなんて言ったから…?



裸足のまま部屋を飛び出した。



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