野獣な執事とワンコお嬢様
待って、ヒョウ…。



「待ってよっ!!」

「お嬢様、足下が…」

「なんで…?なんでそんなこと言うの!?」

「ヒョウはいらないと言ったのは、お嬢様です。なので執事の青柳として接するしかないじゃないですか」

「ごめんっ…なさい…」

「仕事がありますので、失礼いたします。お嬢様も早く部屋にお戻りください」



冷たい目。



あたし…どうしたらいいんだろう…。



なぜか涙がでなかった。



衝撃的すぎて、どうやって部屋に戻ったのかもわからない。



これって…別れたって意味なの…?



あたしがあんなこと言ったから?



そんなのっ…ヤダよ!!



考えがグルグル回る頭の中。



ヒョウは決めたことは覆さない。



あたしを嫌いになった?



お願いだから…戻ってきてよ、ヒョウ…。



一睡もできなかった朝、ヒョウは部屋にやってきた。



「珍しくご自分で目覚められたんですね。おはようございます、お嬢様」



青柳じゃなく、ヒョウがいいのに…。



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