野獣な執事とワンコお嬢様
何を言っても通じない。



こんなヒョウと一緒にいたくない。



愛想尽かしてあっちに戻ればいいよ。



楽しいこともできるし、あたしはお荷物だし。



あたしを嫌いになって、好きなことをやればいいよ…。



あたしって、とことん、ダメな女…。



朝ご飯を食べずに向かった学校にヒョウはいた。



今は青柳じゃなく、ヒョウ。



「ヒョウ」

「なに?」

「バイバイ」

「おぅ…」



ヒョウに依存してたあたしも悪い。



もっと大人にならなきゃ。



「ちょっ、琴音ちゃん?どういう…こと…?」

「別れたんだと思う。そうでしょ?」



ジョーくんが目を丸くするなか、ヒョウは頷いた。



それがヒョウの出した答え。



理由はよくわからない。



あたしの言葉かもしれないし、あの彼女が関係してるのかもしれない。



予想では、きっとあたしだ。



弱すぎるあたしなんか、ヒョウと釣り合うわけもない。



離れなきゃいけないって、ヒョウが言ってる気がするから…。



大好きなのにバイバイ。



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