野獣な執事とワンコお嬢様
強くならなきゃ。



ヒョウがいなくても大丈夫なくらい…。



その日から、学校では目も合わせなくなった。



家では青柳。



あたしも気持ちでは頑張ってる。



「宿題も終わったようなのでお茶にしましょう、お嬢様」

「ありがとう、青柳」

「最近頑張ってらっしゃいますね」

「うん、余計なこと、考えたくないから」

「そうですか。では夕食も完食していただけますか?」



頑張ってるんだよ?



勉強も、今普通に話してるのも。



だけど胸が苦しいの…。



好きすぎて、気持ちが減ってくれないの。



今もヒョウしか見えてない。



あたしはどうしたらいいの?



ヒョウが帰ってから3週間、気持ちより先に体が限界を迎えた。



寝る前、ヒョウが部屋を出て行こうとする直前。



息が苦しくて、まともに呼吸ができない。



なんで…?



あたし…どっか悪い?



「ヒョウっ…」

「えっ?」

「苦しっ…」



荒い呼吸を止めることができない。



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