野獣な執事とワンコお嬢様
毎日の仕事。



「お嬢様、朝です。今日は雨が降ってますので、傘をお持ちくださいね」

「頭…痛い…」

「季節の変わり目ですが…風邪かもしれないですね。大事をとって休まれますか?」

「ううん、行く…」



琴音の心は強くなったって、体は生まれつきだからどうしようもない。



昔よりマシにはなってるわけだし。



起きあがった琴音は、本当に具合が悪そうで。



顔色がよくないな…。



最近は残さずに食べていた朝食も、半分が限界。



それでも学校へ向かった琴音が心配で仕方ない…。



「甘えねぇな、琴音」

「頑張ってらっしゃるんでしょうね。ですが…あの様子だと危険です」

「危険?」

「あんなに顔色がよくないのは久しぶりです。今でもムリなさってるんでしょうから。倒れますよ、アレ」

「まさか。本人が平気って言ったんだから大丈夫だろ」



平気じゃねぇんだ。



口で説明できないけど、感覚でわかる。



今の琴音はムリしすぎてる。



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