野獣な執事とワンコお嬢様
幼少期から、変なヤツに目をつけられてた琴音。



ボディガードを雇ったりしていたけど、今は俺がいるから、そんなのはいない。



よかった…。



「どうしてくれよう…」

「み、見逃してくれっ…」

「次は殺す」

「わ、わかっ…ぐぁぁぁっ!!」

「外しただけだ。ケータイの番号から、名前も住所も調べる。お嬢様の前に現れたら、次は消すからな」

「ぬぁぁぁっ…、わ、わかっ…た…」



生きてただけ、マシだと思え。



優しすぎるな、俺。



車に戻ると、不安そうな琴音。



「な、何があったの…?」

「何もなかったですよ。わたくしの間違いでした。車、出してください」

「隠し事しないでよ…」

「お嬢様は知らなくていいんです。本日はパスタだそうですよ」

「ヒョウのバカ…」

「青柳です」

「バカ青柳っ!!」



涙目の琴音に、またゾクゾクした。



他の男で泣くなんて、許すわけねぇだろ。



お前は何も知らなくていい。



わたくしがお守りします、お嬢様。



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