野獣な執事とワンコお嬢様
家電製品の部品を作っていた工場。



親会社がつぶれたのか…。



副社長が部屋から出て行き、残った俺たちふたりだけ。



お互い何も話さず、この先を考えている。



「ヒョウ、1時間後に会議ね~」

「了解です」

「まぁ、最善を尽くそうかぁ~」



それから1時間、同じ部屋で、別のことをしてる。



この工場をどうするかってことを考えて。



有栖川の他の事業から仕事をもらうのは簡単だ。



だけど、そんなつまらないことをしたら龍馬様は認めてはくれないと思う。



俺の仕事は、龍蔵さんを正しく導くこと。



「はい、時間。来て、ヒョウ」

「何かプランをお考えに?」

「まぁ、候補はね」



上げた候補に口を出す。



絶対潰さない。



龍蔵さんを大きくするのは俺の仕事。



「この案、どう?」

「ふざけるのもいいかげんにしてほしいもんです。全て却下でしょ」

「ヒョウは妥協してくれないのね~。まぁ、俺も苦し紛れの策だったし。うん、やり直す」



やりなおせ~。



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