野獣な執事とワンコお嬢様
休憩にコーヒーを出して、パソコンに向かいながらそれを飲む龍蔵さん。



俺はちょっと…。



「よろしいですか?副社長」

「なんだ?」

「龍蔵さんになにをさせたいのですか?」

「龍蔵には自分で選択をさせたことがなかったから。その道を作ってやらなかった大人が悪いわけだ。今になって気づいたってこと」

「そうですか。では口を出すのはやめます」

「いやいや、ヒョウにも頑張ってもらうんだよ。信頼関係を深めてもらわないと」



そういう訳で俺も呼ばれたのか…。



ふたりでやれってことだな?



やってやるよ、龍蔵さん。



「どこ行ってた?」

「トイレですけど」

「決めた。あの工場、捨て置くには惜しいっぽいし。技術の高さを活かして、有栖川の新ブランドを作る」

「それはまた大それた計画ですね」

「人集めるよ~。技術的なことはよくわからないし。まずは工場行こうか」



こうして、龍蔵さんの新しい挑戦が始まった。



俺も後ろからサポート。



あんまり口を出さず、龍蔵さんの意見を尊重して。



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