野獣な執事とワンコお嬢様
仕事ですか、お嬢様
【琴音】



お兄ちゃんと仕事し始めたヒョウは忙しくなった。



あたしはあたしで、見守り役に徹する決意をしたから。



本当に会社に入ってしまえば、今なんかよりもっと忙しくなるんだろうし…。



「琴音~…」

「どうしたの?雪乃さん」

「ヒマ。ヒマ過ぎてマジで腐りそう。どっか行かない?」

「でも今日はタマキさんもいないし、ヒョウも会社に行っちゃったよ?」

「いいのが残ってるじゃん。ね、アゲハ」



雪乃さんは大事な預かりモノ。



外出時には、誰かが一緒について行くのが鉄則で。



あたしも誘拐されたくないからあまり出歩かないけど…。



もし自分に何かあったら、有栖川に迷惑がかかるって考えの雪乃さんは、ちゃんとその掟を守ってる。



「連休だし。あいつら、休み中は仕事でしょ?もう夏だしさぁ~、海行きたくない?」

「行きたい!!」

「よし、手配するから少し待ってね」



どこかに電話をかけた雪乃さんに、泊まりの用意をしろと言われて荷物をまとめた。



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