野獣な執事とワンコお嬢様
ヒョウは今頃何してるのかな~。



お兄ちゃんにこき使われてなきゃいいけど。



「あっ、雪乃さん、それって婚約指輪?」

「2個目のね~」

「2個目?」

「1個目のが高すぎて日常的にはつけられないって言ったら、次の日にコレ買ってきた。代わりにつけといてって」

「きっとお兄ちゃんの独占欲だね」

「そうだね~。愛されてんね、あたし」



そして、少し寂しそうな顔をした。



最近、お兄ちゃんの帰りが遅いからかな。



1日中ひとりでいるようなもんだもんね~…。



「そういえば琴音」

「なぁに?」

「琴音の進路ってどうなってるの?」

「あたしの進路…?」

「3年生だからさ。どうするのかと思って」



進路には、正直迷ってる。



進学するか、就職するか。



「やりたいことがないの…」

「そうなの?」

「大学に行ってまで学びたいこともなくて…。でも、もっといろんなことを知りたいなぁ」

「いろんなこと!?」



たとえば、自分の身ひとつでお金を稼ぐとか。



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