野獣な執事とワンコお嬢様
昔のヒョウだったら…。



『俺に口答えすんじゃねぇよ、殺すぞ』



とか言うじゃん…。



あたしの方が下僕みたいで、今と立場が逆だったよ…。



なぜかイライラしたまま、いつの間にか車が家に到着した。



家に入り、見つけたのはお兄ちゃんの執事、タマキさん。



観葉植物を見つめてる…。



「なにしてるんですか…」

「おっ、帰ったのか。龍蔵がいねぇんだよ~」

「片手に持ってる金属バットは一体…」

「買い物連れてけってうるせぇから、一発殴ったら殴り返してきやがった」

「ははっ…」

「見つけたらタダじゃおかねぇ」



どっちが主ですか…。



こんな執事を雇うお兄ちゃんを、ある意味尊敬するよ。



ハァ…。



着替えて宿題やろ…。



着替えて、宿題にとりかかると、ドアがノックされた。



「ど~ぞ~」



開いたドアから入ってきたのはヒョウで。



いつもなら一言言ってから入ってくるのに、今日はなにも言わない…。


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