キープアウト!
「オレ、あんなひどいことしたし、最低だったな」

「うん。怖かったよ」

「ごめんな。嫌な思いさせて。本当にごめん」

拓也が頭を丁寧に下げた。

「拓也。もう気にしないで。あたしは全然平気だから」

「あの日。樹里に男から電話がかかってきたの覚えてる?」

「覚えてるよ」

「その瞬間、樹里を取られるんじゃないかって、不安になった」

拓也が続けた。

「そしたら、体の関係さえ持てば、樹里はオレを男として見てくるかなって…最低なこと思った」
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