キープアウト!
「あたし亮二のこと忘れられない…。でももう、亮二はそうじゃない…」

マスターは黙ってあたしの話を聞いてくれた。

「会社の女の子と、ご飯食べに行くみたいなんだ…。想像しただけでおかしくなりそう。どうしたらいいの? もう立ち直れない」

ヒックヒック…と。
嗚咽が漏れてしまう。

どうして。
6年間の間に恋愛をしなかったのだろう?

恋をして、
失恋を経験していたら…
この辛さの忘れ方を知れていたのかもしれないのに。
< 186 / 259 >

この作品をシェア

pagetop